Kanon

( 初回生産版がレビュー対象になっています )



ソフト評価 80
オススメ評価 90
メーカー Key
原画 樋上いたる
シナリオ 久弥直樹 / 麻枝准




エロゲー大航海時代の旗手

 青葉と〜
青葉

茉理
 末莉の〜

茉理
  イケてない
 エロゲーレビュー〜♪

青葉

茉理
 それでは40万ヒット記念企画第2弾のレビュータイトルは言わずと知れた傑作であるKeyさん
 デビュー作品の「Kanon}です☆
 いきなり大本命の作品が来たわねw
 それにしてもこれが発売されたのが今から6年前の1999年だったのね・・・・・・。
 そんなに昔とは思わなかったわ( - -

青葉

茉理
 私も2000年代と思っていましたから少し意外でしたが(^^;;
 この作品も再プレイするのがほぼ5年振りでしたが印象はどうでしたか?
 まず驚いたのがテキストの膨大な量ね。
 今時の作品ですらこれだけのテキストを誇る作品は少ないわよ。
 テキストを一から読んでいたら物凄い時間がかかったわ( - -

青葉

茉理
 流石に傑作と謳われているだけの作品ですねw
 このKanonがきっかけとなってシナリオ重視の作品が多くなりましたし〜
 というより、エロゲー文化が一斉に花開いたのは間違いなくこれが先駆けでしょう。
 ゲームのみならずノベル化とか関連グッズの商品化とか今のエロゲーのお手本となった作品なのは
 間違いないわよ。

青葉

茉理
 まあ今回はゲーム本編を重点的に語りたいので青葉おねーさんが注目したところは何処でしょうか?
 やっぱりシナリオでしょう。
 さっきも言ったけどこの膨大なシナリオの質と量は今でも通用するものがあるわ。
 本気で5年ぶりの再プレイだったけど改めて新鮮な気持ちでプレイできる内容には少なからず
 感動できたわよ。

青葉

茉理
 共通部分を除いても個別シナリオにおけるシナリオの長さは凄いの一言ですね(^^;;
 確かに今の作品でも敵わない部分はありますね〜。
 物語自体はファンタジーの入ったご都合主義の話だけど、それが鼻にかからないのはやっぱり
 そこに至るまでのキャラクターに対する思い入れを強くするだけの設定とストーリー展開があったから
 こそでしょう。

青葉

茉理
 それは同感ですね。あとはシナリオ展開に対して演出も上手かったですよね〜。
 曜日が変わるときの演出はじっくりと見入ってしまいましたねw
 そこも含めてシナリオライターの努力の賜物だったわね。
 癖のあるキャラクターが多いけど、それを受け入れてしまえば楽しめる内容の作品なのよ。
 単なる日常描写が多いシナリオ展開もその日々の積み重ねにキャラクターに対する感情移入を
 強く印象付けているのよね。

青葉

茉理
 あとはCGとか音楽の素晴らしかったですね〜。
 とても6年得の作品とは思えない出来なんですけど(^^;;
 このKanonを境目にゲーム音楽の重要性が認知されたのは事実よね。
 実際にウチのバカも I've sound に本格的にハマッたのはこの作品からだし。

 しかし今プレイしてもCGと音楽、シナリオの組み合わせは類を見ないほどベストマッチね。
 当時の初回版には音声は付いてなかったけど、音声が付いたら最強の作品だったかもしれないわ。

青葉

茉理
 音楽に関しては折戸伸治さんI've さんの合作ですがOPとED曲の素晴らしさは凄いの一言。
 Kanonの大ヒットでI've さんのコンピレーションアルバムのregretがインディーズアルバムとして
 空前の大ヒットになったんですよね〜。
 それ以外の楽曲も素晴らしいものがあったわ。BGMだけでも今聞いても色褪せていないのが
 いかに高次元な完成度を誇っているか判ると思うから聴いてみなさい( - -

青葉

茉理
 最初の作品はCD-DAですから音質も良いですからね〜♪
 これに I've のOPとEDの組み合わせですから考えられる最良のスタッフを揃えていますから
 出来上がった素材は推して知るべしですw
 これで完全に I've は業界に知れ渡ったのは周知の事実ね。
 これ以降、沢山の音楽製作集団が増えてきたのは言うまでもないわ。

青葉

茉理
 あとはCGですが原画の樋上いたるさんの絵はどうですか?
 個人的に好き嫌いはかなりある絵なのは言うまでもないと思うけど、私はこの頃の絵のほうが
 好きなのよね。

青葉

茉理
 AirCLANNADの方が上手くなっている気もしますが?
 上手い下手で言えば、当然Kanonの頃の方が下手糞だと思うわよ。
 というか昔も今も大して上手いとは思ってないけど( - -
 それでもKanonの時の方が下手なりに一生懸命描いているし、何より魅力があったのよね。
 今の絵は上手くなったけど昔に比べると普通になっている感じね。
 といってもHシーンに関しては今も昔も上手くないけど。

青葉

茉理
 ・・・・・・まあストーリー重視の作品ですからね(^^;;
 それでは少し長くなってきたので総評というか言い残した事があれば語って欲しいんですが?
 まずKanonとほぼ同時期に発売されて記念企画でいずれレビューするこみっくパーティー
 2つがエロゲー業界に与えた影響は計り知れないわ。
 

青葉

茉理
 確かこの頃の雑誌の人気投票ではこの2作品が殆ど席巻していましたからね、上位を(^^;;
 これ以降、いわゆる「葉鍵系」と並び評されてエロゲー業界はかなり裾野が広がったんですよね。
 単純に作品の人気だけでなく、特徴あるキャラクター、人気の原画家の採用、主題歌とBGMの
 高次元化・・・etc、etc・・・・・・これ以降の作品に多大な影響を与えたわね。
 当然、メーカーだけでなくユーザーもそれまで徐々に加熱していたキャラクター萌えに一気に火を
 付けた、というよりついでに油を注いだ感じね( - -
 お陰で日本各地にイタいヲタ人種が出没したし、キャラクターグッズも恐ろしいほどの数が
 出てきたのもこの頃。
 今現在のエロゲー業界を構成している要素的なものがほぼ出揃ったのがこの2作品の発売されて
 からだから、エロゲー業界に足を突っ込んでいる人間に与えたインパクトの強さは凄かったのは
 言うまでもないと思うけど。

青葉

茉理
 本当にこれ以降の作品のリリース数は飛躍的に上がっていきましたからね。
 あと作品的に最も強い影響といえば、確実に「シナリオ重視」の作品が増えた事よ。
 もしKanonが出ていなければ「家族計画」「君が望む永遠」も出ていたか怪しいわ。
 それまでのHシーンやエッチCG重視から、「エロさえあれば」好きなシナリオを書ける様になったのも
 事実。コンシューマーでは実現できないリアルな作品が作れる事に気付いたわけね。

青葉

茉理
 やっぱりKanonという作品がいかに凄いか判りますね〜♪
 ただ、これ以降のKey作品は同じような傾向の作品が続いていって私は好きにはなれないけど( - -
 二番煎じの作品は所詮オリジナルを超えられないから。

青葉

茉理
 ・・・・・・それは後ほどレビューするAirで語るでしょうから、今は・・・・・・(^^;;
 まあ好き嫌いのはっきりある作品だから無理にとは言わないけど、エロゲーの歴史を辿る上では
 かなり重要な作品なのは間違いないから1度はプレイしておくべきでしょう。

青葉

茉理
 では今回のレビューは終了となります。
 第3弾のレビュー作品は「GREEN 〜秋空のスクリーン〜」となりますのでお楽しみに〜♪






シナリオ 25  

 Keyといえば泣かせシナリオで有名ですがKanonもご多分に漏れず泣かせる
 シナリオの多い事w 単純に感動させるだけならさほど取るに足らないのですが
 このKanonはそこが実に見事。 キャラクターの設定と日常描写におけるキャラに
 対する感情移入の積み重ねと場面展開の上手さ、そして演出の上手さが渾然一体と
 なっていてオチが判っていても泣かされてしまうエンディングには時間差を感じさせない
 ものがありました。
 
 ただ少なからずシナリオにおける説明不足やキャラクターの攻略に不満はあります。
 私個人的な意見としてはもう少しキャラ設定をしっかりとやって欲しかったと。
 気になったのは美坂 シナリオにおける肝心の病気の描写の少なさ(病弱という
 設定なのに殆どそれらしいシーンがなかった)や、主人公の7年前の過去の出来事の
 描写も少なく唐突にシナリオに挿入されている点は気になってしまった。
 あとシナリオにおける攻略順もかなり問題。明らかにシナリオの最重要の核となる
 月宮 あゆのシナリオを最初から攻略できるのは問題があるだろう。 
 狙って最初から攻略できるようにしたのか判らないが、あゆシナリオを攻略すると
 他のシナリオにおけるインパクトが弱くなってしまうのは明白だし、何より作品的に
 メインヒロインですから全てのキャラの攻略後にプレイできればよかったと思うが・・・・・・。

 それにしても改めてプレイするとテキスト量の膨大な量には圧倒的。これほど
 多かったのかと思わなかったので想像以上に攻略に時間がかかってしまったw
 このテキスト量だけなら現在の新作すらも凌駕する事間違いなし!
 当然内容も今現在も通用するでしょうね。


原画・CG 20  

 樋上いたるの絵でいえば、私はKanonの頃の絵が一番好きですね。
 相変わらずHシーンはイマイチですが、この時の絵は絵的に魅力がありましたね。
 今の絵は上手くなった代わりに何だか魅力がなくなりました(ぉ

 何より私が一番驚いたのは背景などのCGのクオリティーの高さでしょう。
 とても6年前の作品とは思えない緻密な背景の美しさには惚れ惚れw
 当時のほかの作品のレベルを考えれば間違いなくトップレベル。これらが
 あったからKanonという作品における感情移入の度合いが高かったと思います。


音楽・BGM 25

 今で言うところのコラボレーションの勝利。
 折戸伸治I've の組み合わせというほとんど「鬼に金棒」的な意味合いでしょうねw
 OPの「Last regret」、EDの「風の辿りつく場所」は未だに私の中では名曲中の名曲。
 この作品からOPとEDを殆どのエロゲー作品で挿入してくるほど影響を与えたのは
 疑いようもない事実。このKanonの大成功によりI've の知名度は飛躍的に上がって
 いったんですから・・・・・・。

 そしてゲーム中を彩ったBGMも名曲揃い。「残光」「少女の檻」「日溜りの町」・・・・・・
 好きな曲を羅列するとキリがないので止めますが、このハイクオリティーなBGMは
 驚異的でしたね、今も昔も。これだけを聴くために購入しても決して損はしない作品です。


システム・操作性 10

 やはり6年前という事もありかなの過不足あるシステムでした。
 特にボリュームのあるシナリオの作品にバックログ機能が付属していないのは
 致命的でしたね。一度飛ばして読み返そうとしてバックログがなかったときは泣きそうに
 なりました(´д⊂
 あとはウインドーモードにおける画面位置が固定できないのとセーブ箇所の少なさも
 やはり快適にプレイするには何とかして欲しかった(スタンダード版では知りませんが)。


 
オススメ度 90

 今あるシナリオ重視の先駆け的な作品だけにエロゲー入門者には是非ともプレイして
 欲しい傑作。 絵的に癖があるので好き嫌いはあるものの、そのキャラクターが織り成す
 泣かせるシナリオに美しい音楽とCGは必見&必聴!
 まあHシーンは殆ど期待できない作品ですが、この手の作品で如何にシナリオが重要か
 理解できる作品の一つ。 勉強だと思ってプレイする事をお勧めします。

 あと今購入するなら廉価版のStandard Editionで購入しましょう。安いですから。


My Favorite's --

 ここはメインヒロインの月宮 あゆをプッシュ。
 やはり彼女との出会いからこの物語は始まっていたのですから。
 ただ特徴ある口癖と普段の格好は今見てもちとキツいものが・・・・・・(^^;;
 それと次点ですが沢渡 真琴のシナリオも良かった。 最初こそ鬱陶しいキャラだと
 思っていたら最後の最後で泣かされてしまった・・・・・・あれは反則だと思うよw

 あとサブキャラなら名雪の母親である水瀬 秋子さんを。
 彼女のある種達観した「母親」の台詞は終始シナリオでは重要だったと思う。
 あゆシナリオにおける最後の台詞はこの作品で最も私の印象に残った台詞でしたね。


 
備考 --

 前回レビューした「それは舞い散る桜のように」とは対照的に色褪せない感動を
 再認識できたKanon
 この後に控えているAirと比べれば圧倒的に好きな作品ですね。デビュー作ということで
 稚拙な部分も見えますがそれらを含めてプレイして良かったと思える作品でした。

 「面白い作品に時代は関係ない」
 この作品を通して改めて名作というものの存在を感じる事が出来ました。




2005年5月29日 草薙静流


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