| StarTRain | ||||
| メーカー | 原画 | シナリオ | ||
| mixed up | やすゆき | 七烏未奏 | ||
| 総合点数 | オススメ | シナリオ | CG | BGM | システム |
| 160 | 85 | 25 | 15 | 25 | 10 |
この青臭さが病み付きになる
うちで毎月行なっているアンケートで堂々の2位にランクインし、尚且つコメントでも「今年最高のシナリオ」とまで 言われてしまうと遊ばない訳にもいかず、東京に遠征したついでに買ってきたStarTRain。 実際にプレイしてコンプリートしてようやく納得しましたね。確かにこれは久々の大当たりでしたよ。 ただ好みは分かれるでしょうね、このシナリオは。良くも悪くもじわじわと効いてくる内容なので即効性のあるような 作品と比べてしまうと良さは解り難いから。 まずはあらすじを簡単に。 幼い頃から家族との不仲で一人で神社の裏丘で星空を見ていた主人公・元木 司はある日2つ年上の藍田 奈美と 知り合う。そして一緒に過ごすうちに好きになり、奈美と同じ高校に入学を機に告白して付き合うようになる。 これが序盤のストーリーなのですが、この後の展開がもの凄かった。 なにせ全ストーリーのほぼ半分を使って描いているのが司が奈美に失恋する話なんですから。 最初プレイしていてどうしても違和感を感じていたのが奈美が司に対する気持ちというのが非常に解らなかった事。 確かに何かしらの感情はあるのは解るんですが、それがLOVEという感じじゃなかったんですよね。どちらかと言えば 家族とか姉弟のような感じで・・・・・・そうこうしている内に奈美の高校時代の部活の先輩である森という男が現れてから 物語の展開がガラリと変わりましたね。結局、森に憧れていた奈美が再会した事によって再燃。主人公を気に掛けつつも 森に惹かれていくんですから。主人公もそれを察知して必死に引きとめる為に半ば強引に初体験までしてしまう 辺り必死さが伝わります。 しかし奈美との関係を壊せない主人公は次第に悩み始めてしまいます。傍から見ても悩んでいるのが解る様になって ここで重要な役割を果たすのが他のヒロインや脇役である友人達だったりします。実はこのStarTRainにおける重要な 要素としてあるのがこの友人達だったりします。これは後ほど語りますが。 蓬や飛鳥のアドバイスによって七夕の祭りの日、2人が再会した場所で司が奈美を後押しする形でフってしまうんです。 いや〜、この展開は結構感動してしまったんですよ>俺 ここまでウジウジとエロゲの典型的なヘタれ主人公的な司が どうしても好きになれなかったんですが、奈美に依存していた嫌いな自分にある種の踏ん切りを付けたんですから。 ほんの少しだけ成長したという意味では上手く出来たシナリオだと思いますし、この後の奏の告白を考えるとシナリオの 伏線の張り方は秀逸でしたね。 ただ気になったのがこの後の個別シナリオとトゥルーシナリオ的な意味合いを持つ七美シナリオの展開でしょう。 個別シナリオはハッキリと言いますが奏シナリオ以外の2人のシナリオに関して言えばあまり純愛シナリオとは言いがたい 展開でどちらかと言えば人生とかそういった恒久的なテーマだったりします。 そしてそれが最も強く出ていたのが七美シナリオでしょう。非常にネタバレになるのでここからは反転します 奈美をフって1年経ってそのショックからいまだ立ち直れない主人公が夏休みの学校に居ついた家出少女である七美と 知り合います。容姿はおろか名前まで奈美と似ている七美に惹かれ始めます。やがて友人の麻衣子の提案で主人公の 自宅で同居し始めてからその距離が近づくにつれて徐々にお互いが好きになっていきますが、七美と結ばれた翌日に 七美は持病の為にこの世を去ってしまいます。 で、トゥルーシナリオである七美シナリオの後半の展開は多分人によって評価は分かれるでしょう。 かくいう私は最後の最後で好きになれたんですが、展開の9割方はイライラさせられました。何がそうさせたのかと言えば それは主人公が何時まで経っても立ち直れなかった事に他ならないです。だって奈美と別れて1年悩んでいたと思ったら 七美を失って更に1年時間が経過してウジウジしているんですよ? 都合2年もウジウジして正直、いい加減立ち直れと(ry 高校時代の2年間も凹んでいるんですから現実にいたら張り倒してしまいたくなりますよ。 そんな鬱陶しい主人公ですから普通なら誰も相手にしなくなる所を救うのが前述した主人公の友人達です。普段は バカな事やエキセントリックな言動や行動が目立つ麻衣子と大樹や他のヒロインが必死で主人公を励ましている所は 結構感動的でしたが、途中で麻衣子に対して苛立った主人公が暴言を吐くシーンで本格的に主人公を嫌悪しました。 「お前、一体何様のつもりだ?」と問い詰めたくもなり半端なくウザくなったりもしましたよ。本来ならここで作品の 評価の大半が決まってしまう展開になるんですが、それを救ったのがやはり周りの友人達。飛鳥の「自分1人が不幸な 訳じゃない」という説教や、担任の晃先生の自分の経験談を自分の中で消化して最後に復活したお陰で評価は 随分と良くなりましたw ただ、気になったのが最後に登場した奈美でしょうか。あそこで登場すると七美の存在って 意味がなくなってしまう気が・・・・・・事実、エピローグでも殆んど触れていなかったし。ここの所が不満と言えば不満ですが、 それ以上に展開的に驚いたのが、実はシナリオ全体を通してのヒロインが奏だった事(ぉ まさか最後の最後でああいう 終わりになるとは・・・・・・まあ個人的には好きなので良かったんですけど、尚の事七美の意味が薄れてしまうんですが・・・。 総評すると単なる学園恋愛モノでは収まらず、人生を通して人が誰しも経験する事をやや説教じみて語られています。 その辺りが好き嫌いがでそうですが、テーマとしては青春時代の青臭い話を通して語られているせいか、それとも私が 年を取っただけなのか割と素直に受け入れられたので楽しめましたね。特に友人や恩師である担任の存在などは ある意味恋人よりも重要だと言うのが痛感させられる内容でしたね。 ただそんなシナリオなのでテンポの悪さが作品的には致命傷でした。七美シナリオなんて同じ場所を足踏みしている 感覚なので時間がないときにプレイしていると相当イラつきましたが。 そんなわけでトータルしてみるとシナリオが素直に面白かった作品でした。エロが少ないのが欠点ではありましたが 概ね満足できましたし、若い頃の自分と比較出来たりして感慨深い内容でした。 えっ?! 私の若い頃ですか? この主人公とは真逆ですね。恋人はいましたが友人はいませんでした。 今はどちらもいませんが(何 べ、別に泣いてなんかいないんだから! |
| シナリオ | とにかく遅々として話が進まず、同じ場所に立ち止まっている感覚に囚われる点は欠点ではありました。 しかし、それを含めても青春モノとしては非常に秀逸な作品でしたね。単純に人を好きになるだけの 話にせず、そこに人生のテーマや目標、価値観を加えた作りが見事に成功していましたから。 欲を言えばもう少し演出が凝っていれば感動や盛り上がりがあって良かったとは思いますね。 少し欠点も挙げておくと最初に述べたようにテンポの悪さからくるシナリオの長さでしょうか。 結局主人公は同じ場所に居るだけで後にも先にも進めない状態なのでイライラしだすと気になって 仕方のない所ではあります。 逆に良かった点はメインとなるキャラクターと同じくらい脇役のキャラを活かして使えたことでしょう。 特に麻衣子と大樹の存在は後半になると重要になりましたから。 |
| 原画・CG | そんな内容なのでぶっちゃけエロとしては殆んど期待以下の出来でした。 イベントシーンのCGも少なく盛り上がりに欠ける原因になっていました。唯一良かったのは最後の EDムービーと奏シナリオの最後のCGくらい。もう少し努力していれば評価は上がっただけに残念。 |
| 音楽・BGM | なんと言っても最後のEDテーマである「Promisedland」はなんて胸を締め付ける曲だろう。 歌詞を見ても作品のテーマに沿っていて昔のI'veを髣髴とさせる曲でしたね。他の楽曲も非常に 秀逸で効果的なものが多かったです。 |
| オススメ度 | やはりシナリオを受け入れられるかが重要な点でしょう。 普通の学園モノを期待していると期待ハズレに終わりますが、その先にある良質の青春モノとしては 一流の作品なので個人的には是非ともプレイして欲しい作品ではあります。 |
| My Favorite's | StarTRainにおける真のヒロイン・遠日 奏でしょう。 よもや最後の最後で美味しい役回りを獲得するとは思わなかったですね。でも何よりも好印象なのが 主人公に対する一途な想いでしょう。トゥルーシナリオの3回の告白は結構感動モノでしたから。 あと忘れてはいけないのが親友の麻衣子と大樹の存在。この2人が居たからこそ物語りは成立したと 言っても過言ではないです。現実でもそうですが、こういう友人を持つ事が人生における重要な 糧になっていくんでしょうね。 |
2006年11月24日 草薙静流