遙かに仰ぎ、麗しの
メーカー 原画 シナリオ
PULLTOP 藤原々々 丸谷秀人 / 健速




総合点数 オススメ シナリオ CG BGM システム
170 85 20 20 25 20






二者二様

 もういくつ寝ると〜♪
青葉

茉理
 気が早いですね(^^;; 
 とはいえ既に12月も折り返し地点だしね。
 そろそろ今年も終わりそうよ〜(−−

青葉

茉理
 そうですね〜、私達の出番も後何回あるんでしょうかね?
 私としてはとっとと終わらせてオフをくつろぎたい所だけど・・・(−−
 それじゃ早速今回のレビューに入るわよ。

青葉

茉理
 はい!
 今回の作品はPULLTOPさんの今年2つ目の新作の「遙かに仰ぎ、麗しの」です。
 巷では随分と評価が高い作品ですがプレイしてみてどうだったんでしょう?
 最初に言っておきたいんだけど、今回のかにしのの評価は随分迷ったわ。正直に言うと今年の作品の
 中で最も点数を付けるのに苦慮させられた作品だわね(−−

青葉

茉理
 なんと言うか珍しいですね・・・青葉おねーさんはキッパリと点数を決めるのに(^^;;
 そんなに迷うような内容だったんですか?
 やっぱり迷った最大の要素はシナリオよ。
 これの評価をどうすればいいのか悩んだわね。

青葉

茉理
 そんなに複雑なシナリオだったんですか?
 私から見たらそうでもなかったように思えるんですが・・・・・・。
 確かにストーリーとかは至ってオーソドックスで、むしろありふれた題材だったと思うわ。
 だからこそ、ああまで内容とかシナリオの展開が違ったんでしょうが・・・。

青葉

茉理
 そこまで言われて悩んでいた原因が判りました〜。
 それってシナリオライターさんの事ですよね?!
 そういう事よ。簡単に言ってしまうと、かにしのに携わっているシナリオライター2人が担当した
 シナリオが見事なまでに別物だったのが作品の評価を難しくした原因
ね。
 正直、ここまで人によって作品の評価が異なる作品は珍しいんじゃない? 私も実際にプレイして
 これほど迷ったのは久しぶりだったし。

青葉

茉理
 でも今時複数のライターさんがシナリオを担当している作品は他にも一杯ありますけど
 そこまで言わせるんですから余程違ったということでしょうか(^^;;
 まず私が気になったのは主人公の性格が全くといっていいほど異なっていた事ね。
 細かいことを言えば性格どころか設定すら別物といってもいいほど違っているのよ。普通なら
 この時点でアウトなんでしょうがかにしのの凄い所はギリギリのところでバランスが取れているところ。
 これはちょっと感心させられたわ。

青葉

茉理
 性格も設定も違うというのは凄いですね・・・・・・具体的な例があれば簡単に説明が欲しいんですが。
 このかにしのはシナリオが本校系のヒロインと分校系のヒロインの2通りに分けられるんだけど
 前者のシナリオの主人公はとにかく熱血漢というか猪突猛進というか、良くいえばポジティブ
 とにかくシナリオを自分で進めて行くパワーがある感じ。でも後者は文字通り新任教師丸出しで
 頼りなくて、しかも過去のトラウマを引き摺っているネガティブとまではなくても消極的な印象は
 拭えない
のよね。

 一つ例を挙げると、この2つのシナリオで共通して起こるイベントで理事長であるみやびの大切な
 壷を生徒が割ってしまう事件があるんだけど、本校シナリオの主人公は機転を利かせてみやび
 割ってしまった生徒が納得して丸く収まるように自ら解決したのに、分校シナリオでは、うろたえて
 迷っているうちに同僚のが解決してしまうも後味の宜しくない結末になるし・・・・・・。

 あと設定の違いも挙げると本校シナリオでは主人公はコーヒー好きなのに分校では紅茶党だし、
 趣味の描写にしても本校ではラジコンで遊ぶシーンは多いけど、分校では皆無に等しいし・・・。

 私個人の意見だけど、かにしのの主人公は全く別人と考えた方が良いかもしれないわ。
 そうでないととてもじゃないけど違和感しか感じないし(−−

青葉

茉理
 これだけを見たら同一キャラとはとても言えませんね(;´Д`)  
 でも、単純に考えると本校シナリオの方が面白そうに感じますね〜。
 ところがそうは問屋が卸さないのよ。
 単純にそうだったらどんなに楽だったか(−−

青葉

茉理
 と、いうと分校シナリオにも良い点はあったと?
 そういう事。それこそが最大の悩みどころだったんだけどね(−−
 なんというかライターが2人居るから当然個性が出るんだけど、単純にシナリオを見ると両方とも
 ライターの特色が出ていて良かったのよ。
 これにはかなり「やられたっ!」と思ったわ。

青葉

茉理
 因みにそれぞれどんな感じだったんでしょう?
 本校シナリオは学校という舞台で教師である主人公とヒロインの生徒が共に成長していくお話ね。
 一見、明るくて前向きな主人公がヒロインに惹かれていくにつれ過去のトラウマが出てきて、悩みつつも
 乗り越えていく辺りは面白かったわ。後はシナリオが全体的に面白い要素が多かった事も特色ね。
 授業風景とかサブキャラとの絡みとか、退屈な要素は少なくて良かったわ。

 対して分校シナリオは攻略ヒロイン1人を徹底的に追求しつつ、設定の伏線を活かしたシナリオが
 楽しめる
点ね。さっきも言ったけど主人公がイマイチ目立たない分、ヒロインの個性が実に魅力的に
 活かされていたのは大きかった気がするわ。そして分校シナリオの3人は全て密接な人間関係で
 繋がっていて、これが3人の個別シナリオに大きな影響を与えている
のも相違点としては大きいわね。

 簡単に纏めてしまうと、本校シナリオは主人公、ヒロイン、脇キャラも含めてゆったりと進む
 ストーリー重視のシナリオ展開
で、分校シナリオは一見すると萌えゲーだけど設定と伏線を
 活かしたシナリオ展開
が楽しめる事かしら。

青葉

茉理
 トータルで見たとして、どちらが良かったんですか?
 それは難しい質問ね(−− 正直、私はどちらも好きというしかないわ。
 フルコンプした後だと甲乙つけ難いのよ。どちらにも良さはあるし、欠点もあるけど1つの作品として
 考えると結果としてバランスは取れているから。

青葉

茉理
 それじゃあ逆に欠点を挙げるとすればなんでしょう?
 本校シナリオは確かに面白いけど全体的に盛り上がる要素は少ないわ。Hシーンも良かったけど
 ヒロイン1人に対して1回しかないしエロゲとしてはどうなのかって感じね(−−

 分校シナリオはHシーンがやたら多くて逆にシナリオを停滞させていた感じがするし、同じようなシーンも
 多いので飽きてくるわ。後はストーリーの共通部分も多く、やたらとダラダラするのも辛かったわね。

青葉

茉理
 本当に一長一短なシナリオなんですね(^^;;
 だからこそ評価が難しいんだけどね(−− 細かい所を評価すると辛くなるし、全体を見ると
 とてもバランスが取れて良かったし・・・・・・ある意味ライターが2人居たからこそ特異な作品に
 なったと思うけど、1人のライターだけだったら案外退屈な作品になっていたかもね。

青葉

茉理
 それでは最後に何かありましたら仰ってください。
 最初に言ったけど主人公の性格の違いからくる違和感は覚悟した方がいいわ。
 どういう経緯でああなったかは知らないけど同一の人物とは思わないほうが吉ね。
 あとは作品は相当長編だから覚悟しておく事
 まさかフルコンプに半月も掛かるとは思わなかったわ(−−

青葉

茉理
 それでは今回はこの辺でお開きにさせて頂きます〜♪






シナリオ

 良くも悪くも丸谷秀人さんと健速さんの個性が出ていたシナリオといえるでしょう。経緯は判りませんが
 ここまで整合性を取ろうとしていない複数ライター性の作品は珍しいんじゃないかと(ぉ
 ただ、逆をいえばライターの個性を活かした上で絶妙なバランスを取っているんですから大したものだと
 思います。普通はこんなに違ってしまうと評価は良くならないんですがねぇ。
 個人的な印象として料理に例えると、本校シナリオは技術を駆使してそこそこの素材で作られた料理
 分校シナリオは良い素材の持ち味を活かして作った料理といったところでしょうか。

 そしてかにしのの持ち味の一つとして声優陣の豪華さとキャストが良かった事が挙げられるでしょう。
 久しぶりにキャラ設定にピッタリはまった声優だったと思いましたね。これだけでも聴く価値ありです。


原画・CG

 言うまでもなく原画は藤原々々さん。
 しかしながら今回はやや不満があったのも事実。1つはキャラクターがアップになった時にかなり
 酷い出来のCGがあったこと
が残念。2つ目は脇役のキャラの立ち絵が無かったことでしょう。
 折角魅力的な作品だっただけにもう少し作り込んでいれば良かったと思いましたが(^^;;

 Hシーンに関しては本校キャラと分校キャラとではHシーンの質と量に随分と差がありましたね。
 これは賛否はありますが私はアリだと思います。ただ、分校キャラのHシーンについてはちと多かった
 気がしますね。そのせいでシナリオが少しダれた感じがしましたから。


音楽・BGM

 非常に高水準で満足させられましたよ。特にOPのムービーとのバランスは個人的には今年の
 ベスト3には入る出来でした。
 そして最後の学院生全員による「遙かに仰ぎ、麗しの」は某こんにゃくを想い出すほど不意打ちを
 食らいましたよw 


オススメ度

 多分ですがこれほど作品の印象が人によって違う作品はないんじゃないかと(ぉ 実際にプレイして
 自分でも好みの分かれる印象を受けますね。それはライターさんによってシナリオが全く変わって
 しまっているから。
 ですから、正直な話、私がここで手放しに誉めても多分人によっては受け取り方が変わるでしょうねw
 それほどまでに普通の作品とは一味違いますね。

 個人的には目新しい設定はなかったですが、細かい部分まで丁寧に作りこんでいて、尚且つ、コンプして
 満足感を得られた点で高く評価したいです。


My Favorite's

 結果としてヒロイン全て良かったですね>マテ
 あえて挙げるとするならあまり印象が無かった鷹月 殿子八乙女 梓乃、そして榛葉 邑那の3人は
 かなり良かったですね。特に前者2人は私の父性本能を刺激させられましたし、後者は2転3転する
 ストーリーと邑那の設定にやられました。
 あと意外なのが梓乃シナリオにおける主人公に対する感情の移り変わりは全シナリオ屈指の出来かも
 しれません。あれこそ間違いなく初恋を描いたものでしょうね。

 あとは何と言っても脇役キャラの魅力的なこと! 特に殆んどヒロイン格のリーダさんや三嶋 鏡花
 お笑いキャラの上原 奏など、捨てキャラが殆んどいないくらい良かったです。
 誠に僭越ながら久々にファンディスクを出して欲しいくらいにキャラクターは全て魅力的でした。


備考

 最後に個人的にお勧めする攻略順を載せておきます。(ネタバレ反転)

 殿子 → 栖香 → 梓乃 → 美綺 → みやび → 邑那

 特に注意して欲しいのは美綺栖香の跡に攻略することと、邑那は最後にする事の2点でしょうか。
 美綺を先に攻略してしまうと栖香シナリオのネタバレになってしまうので感動半減、邑那はシナリオ中に
 某脇役の素性がバレてしまうので最初に攻略すると少しばかり印象が変わってしまいますね。

(反転終了)

 最後に言いますが、主人公が教師役での学園恋愛モノとしては屈指の出来でした。>かにしの
 ですから是非ともファンディスクを作ってください! 
 お願いします!<(_ _)>




2006年12月15日 草薙静流




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