| カタハネ | ||||
| メーカー | 原画 | シナリオ | ||
| Tarte | 笛 | J-MENT / まじか | ||
| 総合点数 | オススメ | シナリオ | CG | BGM | システム |
| 180 | 90 | 25 | 25 | 25 | 15 |
"ココ"に終わり、"ココ"に始まる
| 青葉と〜 | ![]() 青葉 |
|
![]() 茉理 |
末莉の〜 | |
![]() 茉理 |
イケてない エロゲーレビュー〜♪ |
![]() 青葉 |
| 今(3/7現在)、世間を賑わせているTarteの新作、と言うか遺作になりつつある「カタハネ」を今回 取り上げるわよ。 |
![]() 青葉 |
|
![]() 茉理 |
レビューしている段階では先行きはかなり厳しい状況のようですから不安ですよね・・・(;´Д`)
でもレビューは何時も通りにやっていきますので・・・・・・それでは早速ですが青葉おねーさん的に カタハネはどうだったんでしょう? |
|
| 今年取り上げた作品は10本近くあるけど、その中では断トツに面白かったわね、色々な意味で。 | ![]() 青葉 |
|
![]() 茉理 |
確かに評判は良いみたいですが具体的にはどの辺りが良かったんでしょうか? | |
| 大まかには3つあるわね。シナリオとキャラクターと前者2つを巧みに使った構成が目を引いたわ。 | ![]() 青葉 |
|
![]() 茉理 |
それでは1つずつお聞きしますけど、最初のシナリオですが3部構成で尚且つルート制限が 設けてある辺りが評価が分かれそうな気もしますが・・・・・・。 |
|
| 確かにシロハネ編前半 → クロハネ編 → シロハネ編後半と別れているんだけど、インパクトの あるクロハネ編のせいで前半のシナリオが薄まってしまっている感は否めないと思うわね(−− でも全体の構成からしたらそれは仕方ない事だと思うけどね。それとルート制限に関しては妥当だと 思うわ。あとで話すけどこれはかなり重要だったし、最後のシナリオにおける最大のスパイスでもあったわ。 |
![]() 青葉 |
|
![]() 茉理 |
カタハネはシナリオの構成も個別シナリオも3つずつありますのでまずはシナリオの構成からお聞きします。 特徴的だと思うのはワカバさんの書く演劇のモチーフになったクロハネ編ですが如何だったでしょう? ネットでは評判はかなり良さ気ですが?(^^;; |
|
| 一言でクロハネ編を言ってしまうとシロハネ編における歴史の裏側を描く物語だったわね。 歴史上の人物達が人形に関わる術中権謀を繰り広げながらもキャラクター達の愛憎や苦悩を しっかりと描いている点はかなり評価できるわね。しかもそれらがココの記憶によるものだった事の 意味はとても大きかったわ。 |
![]() 青葉 |
|
![]() 茉理 |
それは何となくネタバレになりそうなので後でお聞きするとして、クロハネ編は良かったと言う事ですね? | |
| 作品の方向性とは違う点で言えば外交面での政治的判断としても面白かったし、人間関係とかも 意外と複雑で悪役だけどヴァレリーなんか良い味出してたしね。これも後で言うつもりなんだけど カタハネのキャラに端役というのは存在しないのよね。きっちりとキャラを活かした上で動かして 物語を進めていたのはとても上手かったわね。 |
![]() 青葉 |
|
![]() 茉理 |
さっきも仰ったシロハネ編はやはり印象が薄くなってしまうのも無理ないことですかね・・・・・・。 | |
| と言うよりも作品中ではクロハネ編はシリアス担当であり、あくまで実際に起こった事を再現する場で シロハネ編は「天使の羽ばたき」という劇を通してクロハネ編から見た未来のキャラクター達が史実に 沿いながらも独自の解釈で歴史の真実を再現するかというお話だった気がするわ。確かにシリアスな 展開とドラマチックな内容という意味ではクロハネ編に劣るかもしれないけどギャグとかドタバタも含めると 結構面白かったわよ、私は(−− |
![]() 青葉 |
|
![]() 茉理 |
それでは個別ルートについてはどうでしたか。 | |
| 端的に言ってしまえばワカバとアンジェリナはあくまでそれぞれの視点から演劇の脚本作成と舞台の 役者を集めで劇を上演するというお話に過ぎないわ。でも、それらがあったからこそ最後のココルートの 厚みが増して感動に繋がったと言えるでしょうね。 |
![]() 青葉 |
|
![]() 茉理 |
それでは核心であろうココさんのシナリオについてはどうですか? | |
| ハッキリ言えば反則だったわね(−− | ![]() 青葉 |
|
![]() 茉理 |
ちょっwww いきなりぶっちゃけてますけどw | |
| これは反則以外の何物でもないでしょう・・・・・・ある程度読めていたとはいえ、よもや主人公というか 物語の肝となるキャラがココだったのは油断したわ。 しかもそれだけならだしもシナリオの展開は細部はともかくとしても大筋では文句の付けようもない出来 だったのが別の意味でショックだったわ(−− |
![]() 青葉 |
|
![]() 茉理 |
いやショックとか言われましても・・・・・・(^^;; |
|
| 冗談はさておいてもココルートにおける収束の仕方は見事だったわ。キャラクターとしての魅力を 発揮しつつも物語の設定や伏線までも活かしきって、最後には全てが収まる所に落ちていく展開には ちょっと感動するわよ。 |
![]() 青葉 |
|
![]() 茉理 |
そこまで青葉おねーさんに言わせるとはかなり凄かったんですね・・・・・・(^^;; | |
| 特に面白かったのが今まで『観客』という立ち位置だったココが初めて『主役』としてストーリーを 動かしていた点、つまりはワカバ・アンジェリナルートで隠されていた伏線がクロハネ編の真実を 経て最後のシロハネ編の後半のクライマックスで最高点に達する所じゃないかしら。 しかもエピローグでのココの最後の台詞で全てが昇華されるんだから、そりゃ感動もするわ。 |
![]() 青葉 |
|
![]() 茉理 |
なるほど・・・今、青葉おねーさんが最初に言ったココさんの立ち位置のお話は興味がありますので 詳しく聞きたいのですが。 |
|
| それを話すと他のキャラの話にもなるから一緒にしてしまうけど、私から見てカタハネは1つの『舞台』と して考えると登場するキャラの全てが主役なのよ。実際、頻繁にキャラの視点の変更がこれほど頻繁に 変わる作品は他にはないし、作品を通して見ても主役として確固たる位置にいるのが唯一ココルートに おけるココだけだったように感じたわ。 |
![]() 青葉 |
|
![]() 茉理 |
言われるとセロさんにしても主役という感じではなかったですね・・・・・確かにまるで劇を観ている様な気には なります。 |
|
| 文字通り客観的な気分に浸れるわ。 で、話をココに戻すけど、ワカバ・アンジェリナルートのココって脇役というよりも観客に近い立ち位置に 私は感じたわね。 |
![]() 青葉 |
|
![]() 茉理 |
それには理由は何かあるんでしょうか? | |
| 判り易い点で言うと唯一ココだけが視点の切り替えがなかったことね。 これって、つまりはユーザーと同じ位置に居るんじゃないかと思うのよ。 |
![]() 青葉 |
|
![]() 茉理 |
確かに自動、手動に関わらずありませんでしたよね。 | |
| そしてココルートで初めて視点切り替えでココの視点から物語を語り始めてからがある意味本当に カタハネというストーリーが動き出したんじゃないかと私には思えてならないわ。だからココが ああいうキャラクターの設定で作られたんでしょうね(−− 気付いていると思うけど設定としてちゃんと 作られてるのってココだけなのよ? |
![]() 青葉 |
|
![]() 茉理 |
あっ、本当ですね・・・・・・むしろ他のキャラクターさんが不自然なまでに浅い設定のような気もします。 | |
| 当然計算でやっているとは思うけどね(−− クロハネ編にしてもココの視点から物語を観ている感じが 強いし色々と興味深いキャラではあったわね。単に可愛らしいという事だけじゃなく、その小さい身体に 背負った役割の重さと誠実さはカタハネという物語の清涼感としても重要だったわ。 |
![]() 青葉 |
|
![]() 茉理 |
デュアさんとアインさんの約束を忘れていた記憶と共に想い出すシーンはかなり泣けますよ(´д⊂ | |
| それがエファではなくココだった事に意味があるのよねぇ。 | ![]() 青葉 |
|
![]() 茉理 |
そして最後のエピローグ部分も・・・・・・何故レインさんがベルさんを名前で呼ばないのか、そして過去に 犯した行為の懺悔をココさんにするシーンとかも感動的ですが、やっぱり最後のココさんがお別れと 約束を守った報告をするところとか・・・・・・確かにアインさんの魂は救われたんでしょうね・・・・・・。 |
|
| なんか湿っぽくなってきたから少しばかり不満点も述べておくわ(−− 流石にベタ誉めで終わる作品じゃないから。 |
![]() 青葉 |
|
![]() 茉理 |
さっきも言っていたシナリオの構成面ではどうしてもクロハネ編の印象が強くてシロハネ編の前半は インパクト不足ですよね。 |
|
| まあHシーンの半分がレズシーンだったのも好き嫌いは出るでしょうね。 あとはシナリオ面では色々と伏線が回収されていない所もあるから結構気になる部分は多いわ。 |
![]() 青葉 |
|
![]() 茉理 |
レインさんの恋人の方とか、クロハネ編のヴァレリーの陰謀が個人によるものなのか国の命令に よるものなのかとか、そしてハンスさんがヴァレリーさんの計画に加担した理由とかも気になりますね。 |
|
| 全てを説明しろとは言わないけど気になる伏線や設定は多いわね。でも、説明されていないからこそ ある意味面白いと思うけど。この点は以前取り上げた「遙かに仰ぎ、麗しの」と同様で気になるのは 面白いからこそでしょうね。 |
![]() 青葉 |
|
![]() 茉理 |
それだけに今後に不安を覚えますが・・・・・・。 | |
| これが有終の美という形になるのは切ないわね・・・・・・クズのような作品を1作出して終わりのメーカーも あれば素晴らしい作品を出したかと思えば理不尽にも倒産してしまうメーカーもあるというのはねぇ・・・。 |
![]() 青葉 |
|
![]() 茉理 |
出来れば新しい形でもいいので復活して欲しい所です。 |
| シナリオ | 「一つの物語は終わりを告げ、過去から未来へ―。 物語は“ココ”から始まる―」 OPムービーの最後に出るこの一文がカタハネという作品を表しているでしょう。ココという観客の視点で過去と未来を描くシナリオは今までにない新しい試みでした。主人公が登場人物全員てというのも面白く、それぞれのキャラの視点から物語を切り取って進むストーリーも丁寧なものでした。3部構成で過去と未来を行き来するというのも少なからず不満はありましたがこれ以外で表現できない事を考えれば納得できます。 シロハネとクロハネ。どちらが良いかと言われれば確かにクロハネの方に軍配が上がるでしょう。過去の秘密に加え、術中権謀のストーリーは面白かったですし。何よりも陰の主役とも言うべきアインの生き様も魅力的でしたから。でも個人的にはシロハネも決して劣ってはいなかったですね。欲を言えばもう少しキャラ同士を絡めた長めのシナリオだったら文句はなかったです。 あと、カタハネにおいて最も評価できるのはキャラクター作りに他ないでしょう。これほど完成度の高いキャラ達をしっかりと動かした上で1人として無駄の無いシナリオを作った事は評価されて然るべきです。 |
| 原画・CG | カノギの時にも言いましたが、今回のカタハネも笛さんが原画をしなければこうはならなかった作品でしょうね。特にココの可愛らしさを表現する上では不可欠といってもいいでしょう。しかし実際にプレイするまでこの(結果的に)シリアスな作品に笛さんの絵が合うのか疑問でしたが杞憂に終わって安心しましたw Hシーンに関して言えば私はごく自然な流れであったし、もしもアンジェリナが男性キャラと結ばれてしまったら逆に不自然すぎて評価は下がったと思います。百合ゲーが嫌という方は仕方ないにしてもストーリー上では納得いく展開だったと思います。 そして絵的で言えば背景の美しさは今年屈指の作品ではないでしょうか。mioriスタッフの協力を得ているとはいえ、(おそらく)イタリアが舞台となっているとおもいますが文句なしに雰囲気が出ていて大好きですね。特に青の都の下町風景は好きですよ。 |
| 音楽・BGM | 主題歌、BGMを含めて作中の雰囲気を壊さないよう作られているのが好印象。BGMでは「See You Again」、主題歌なら「Alea jacta est ! 」が特に良かったですね。(「Alea jacta est !」はイタリア語なので舞台はイタリアでしょう)。Ritaさんの明るく楽しい歌声は正しく未来へ旅たつ曲として相応しかったと思います。 |
| オススメ度 | 前作「ひなたぼっこ」が一般的に平凡な作品に終わってしまっていたので敬遠する方もいるでしょうが、カタハネは不安を吹き飛ばすだけのポテンシャルを秘めています。ドラマティックなストーリーと最後のココルートで明かされる歴史の真実と、それに左右された人達の魂の救済の物語。大袈裟に書いたかもしれませんが作品の隅々まで味わって楽しめる作品だけに興味があれば買うべきだと思います。既に状況が気軽に買えるような時でもないだけに・・・・・・。 とはいえ起伏が多い作品でないだけに過剰にドラマ性を求めると失敗するとは思います。 |
| My Favorite's | 別格とはいえココとアインを挙げざるを得ません。 ココが守り抜いた約束を解放してアインの魂を救い、レインとの新たな約束を胸に未来へと旅たつ・・・・・・ラストを飾るシナリオとしては文句の付けようもない出来に感激させていただきました。 赤と青の両国から白の国を守る為、デュアとの約束を果たせなかった無念と後悔、そして最善の策として汚名を一身に背負って国境に向かう後姿に泣かされました(´д⊂ 出来ればデュアと幸せになって欲しかった・・・・・・しかし歴史は変えられない。そして彼の魂が最後で救われたと感じさせたシナリオは最高だったと言えるでしょう。しかしアインとレインの関係が少しばかり意表を突かれましたが。 本音を言えば登場するキャラ全員が好きです。悪役であろうヴァレリーにしても心底憎めませんでしたし。出来ることならもう少し主軸以外のストーリーでキャラが絡むシーンが観たかったですね。 |
| 備考 | これが遺作になろうとは。罪作りな事をしてくれました。>Tarte 思えばデビュー作「雪語り」からお付き合いさせて貰っていたので今回の事はショックでしかありません。そりゃ傑作名作大ヒットと呼ばれる作品は今回のカタハネぐらいしかないでしょう。それでも良作を作ったのにメーカーが亡くなってしまうとは・・・・・・その不条理と悲しみは言葉では表現できません。以前、「ひなたぼっこ」の柊 日向さんの聖誕祭ラジオで快く楽曲の使用を許可していただいた事も今となっては想い出でしかありません。甚だ私の希望ではありますがTarteスタッフの方が別の形で再起して新たに新作を作ってくれる事を祈っています。 以上、Tar党党首の戯言でした。 |
2007年03月08日 草薙静流