ななついろ☆ドロップス
メーカー 原画 シナリオ
UNISONSHIFT Blossom いとうのいぢ 風間ぼなんざ / 市川環




総合点数 オススメ シナリオ CG BGM システム
160 80 20 20 25 15






古き良き少女マンガ的作品





 こっ恥ずかしいっ!!(;´Д`)  >挨拶



 今回の「ななついろ☆ドロップス」をプレイしてまず口から出てくる感想はこれでしょうねw
 ここまであからさまに少女マンガのようなシナリオとは正直思っていなかったんですがねぇ〜。
 私は今はそれほどでも無いのですが、昔は相当少女マンガを買い漁っていた時期がありました。
 その頃のマンガに例えるなら、このななついろ☆ドロップス10年前くらいの集○社のリ○ンコミックスを髣髴させる
 内容でしたね。 もうとにかくプレイしていて悶えさせてくれましたよ、違う意味で(ぉ
 今時の少女マンガですらやらないような正統派の少女マンガ的な内容は赤面モノでしたが、逆を言えば今時の
 奇抜な設定の作品群と比べると愚直なほど真っ直ぐなストーリーは感動すら覚えました。
 それではその辺を少し語っていきましょうかね。




 ななついろ☆ドロップスをクリアしてまず言っておきたいのが、結局この作品はメインヒロインの秋姫すももの為だけの
 作品といっても過言ではない
ということ。 何故なら設定の大半が主人公の石蕗正晴秋姫すももの物語だから
 まあ当然といえばそうなんですが、やはり感情移入できないキャラだと楽しさは半減してしまいますからね・・・・・・その辺が
 微妙な所でしょうが。


 さてストーリー的には実はそんなに取り立てて目新しいものがなかったななついろ☆ドロップス
 主人公の石蕗正晴クンがとある事故によって夜になると羊のぬいぐるみのユキちゃんになってしまう体質になってしまい、
 それを治す為には流れ星の降ってくる時に落ちてくる『星のしずく』を七つ集める必要があり、それを集めるために
 『星のしずく』を掬う道具に選ばれた秋姫すももと一緒にしずく集めに奔走する事になるというのが大まかなストーリー。
 最初あらすじを見た時には某CCさくらを思い出したのは私だけではない筈。
 

 お約束の魔法モノですが正直設定としてはさほど重要ではなかったですねw あとで書きますけどななついろ☆ドロップス
 個人的に評価したい部分として魔法に頼った安直なお約束ネタがなかったことは結構大きかったなあと。 もしラストで
 奇跡だの魔法だので解決してしまったらここまで評価は高くなかったですから。


 さて長くなりましたけど先程も書いたとおりななついろ☆ドロップスは主人公の石蕗正晴秋姫すもものタイマンの
 恋愛を描いた作品といってもいいでしょう。 口下手で感情表現も上手く出来ない不器用な主人公と内気で上がり症の
 すももでは全然話が進みませんが、この作品で上手いと思ったのが主人公が事故によりユキちゃんになったのと
 すももがしずくの掬い手である『スピニア』に選ばれた事によってストーリーが実に上手く動かせているのが解りましたね。
 本来は上手く喋る事が出来ない主人公が元に戻るためにすももをフォローする所とか、ユキちゃんを助けるために
 不器用ながらも必死に前に進むすもも。 ななついろ☆ドロップスの特色として主人公とすももの性格の二面性が
 シナリオにメリハリを与えている
のが挙げられます。 決して本来の姿のときには見られない素顔が『星のしずく』
 集めるという設定によって見えるというのはとても良かったですなあ。


 そしてすももシナリオのクライマックスで更にもう一捻りある展開には割と衝撃的でしたね。
 特に主人公の正体がすもも達にバレて本当の人形になってしまった辺りからの展開は見事というしかない。
 それまでの主人公からの視点の話が逆転してすももが主人公になって話が進むんですから。
 再び元の動ける身体になった主人公がようやく集めた『星のしずく』で作った薬の副作用によってユキちゃんに
 なっていた頃の記憶を全て失ってしまう頃には完全にすももが主人公でしたね・・・・・・個人的には紆余曲折で
 付き合いだした2人が主人公の記憶を失った事でご破算になった時はプレイしていて辛かったよ(´д⊂
 でもすももが必死になって主人公に対してアプローチをかけて記憶を呼び戻そうとしていてるうちに、段々と記憶を
 戻す事よりも自分の気持ちを伝える事に変わっていった展開は見事
というしかない・・・・・・最後の温室のシーンから
 エンディングに至る一連の流れは個人的には琴線に触れまくりでした。 ぶっちゃけ泣きましたから(ぇ


 やっぱりトータルしてみたらすももシナリオの良さは「好きな相手を想い続けていたら報われる」という古き良き
 少女マンガ的な設定を実践した事でしょうね。 今は変なリアリティーを作品に入れているものが多いのですが
 やはりゲームなどの作られた中ぐらいはストレートなハッピーエンドを迎えても良いと思うんですがw
 で、もう一つ個人的に良かったのは上と書いていることに反しますが完全なハッピーエンドになっていなかったことでしょうか。
 結局、主人公の記憶は完全に戻っていませんから・・・・・・まあ逆にあの温室のシーンで『奇跡』だので記憶が
 戻っていたら興醒め
でしたが。 記憶が戻らなかったからこそ最後の帰り道のシーンはグッとくるんですからねぇ〜。


 さて、残りの2人のヒロインですがすももシナリオと比べるとやっぱり扱いは軽かったですね(^^;;
 シナリオの尺自体短かった上に内容も微妙でしたがすももシナリオがメインと考えれば、まあ無難な出来とは思いますが。
 結城ノナシナリオは割とお約束な展開が多くて序盤から楽しめました。 特に惚れ薬の一件で主人公とギクシャクして
 文字通りからに閉じこもったシーンは笑いましたがw
 そして一番好きなシーンはノナが元の世界へ戻るシーン。 最後にたった一人の証を主人公に付けて去って行った後、
 主人公が自らすももに正体をさり気なく明かして帰っていく件は実に見事だと感心しましたね。
 反面、八重野撫子のシナリオは他の2人とは少しばかり違って恋愛よりも友情物語の風味が強かったのが良くも悪くも
 微妙な感じは否めませんでした。 しかも中盤からは最初のキリっとした立ち絵から愁いを帯びた浮かない表情のCGが
 多くて結構辛かった気がしましたね。
 まあ、それも最後のスカート姿での笑顔を見てしまったら吹き飛びましたが(ぉ  




 ここまで誉める部分が多かったななついろ☆ドロップスですが、やはり欠点はありました。
 まずなんと言っても最大の欠点は18禁ゲームとしては致命的なまでに向いていない作品だった事でしょうw
 どんな作品でもプレイする私でもこればかりは「別にエロはなくてもいいよな・・・・・・」と思ってしまうくらいに
 エロゲらしくないエロゲでしたねw  絵とか設定とかいう以前の問題で雰囲気からしてエロゲには不向きだったと私は
 思いましたが・・・・・・まあHシーンにしても全然エロくなく、本当に小説の挿絵程度の出来だったし、もしコンシューマーへ
 移植するのならHシーンさえ取っ払えば直ぐにでも可能でしょうね。
 あと欠点を挙げるとすれば、作品の長さもやや気になりました。 物語はほぼ1年という期間(すももシナリオで)が
 あるだけに間延びして中盤がダラダラするのがキツかったなあ・・・・・・特に起伏のないシナリオだけに余計にそう感じました。
 それと関係して『星のしずく』集めも後半からはおざなりになってきていたのもダラダラ感に拍車をかけていましたね。




 何だかんだ書きましたけど、実際にプレイしたら結構楽しめた作品だったのは事実。
 私が評価したい点は今の少女マンガの失ったピュアな部分がよもやエロゲで再現された事でしょうかw 現実は
 こんな風に行く訳もありませんが、フィクションのお話ぐらいは綺麗なお話を見たいと思うのは間違っていないと思います。









シナリオ

 すももがメインだけに他の2人の扱いがイマイチなのは勿体なかった気がしますが仕方ないかと。
 全体的に少し中弛みがあるシナリオでしたが、少女マンガ的な作風はしっかりと貫かれていた点は
 大いに評価したい。 

 あと脇役のキャラクターも出番も多くしっかりと話に絡んできている所も良かった。 個人的には
 ナツメ先生とカレンさんの出番をもっと増やして欲しかったかなw

 
原画・CG

 今を時めくいとうのいぢ先生だけにここまで作風にあった絵を描けるのは流石というしかない。
 本来なら満点をあげたい所ですがHシーンの部分でマイナスにさせていただきましたど、それ以外の
 部分では文句の付けようのない魅力ある絵を披露してくれた事は感謝したいですね。


音楽・BGM

 曲についてはもはや文句なしの満点をあげたいです。
 特に上手いと思ったのが曲と曲の繋ぎがすげー上手いと思いました!
 すももシナリオのラストはそれが見事に効果的でしたから。


オススメ度

 エロゲとしては正直に言えば落第の作品ですが、1つの作品と考えれば十分に良作以上の
 出来だったのは確定でしょう。
 あとはメインヒロインのすももにどれだけ感情移入できるかによって大きく分かれますね。
 それが出来ないとはっきり言って辛い作品です。


My Favorite's

 王道のシナリオを見せてくれた石蕗正晴秋姫すももの2人に。

 名シーンはなんと言ってもすももからの2度目の告白シーン。 結局お互いに2度告白するという
 相思相愛の恋愛物語としては最高の王道ストーリーではないかと私は思いますね。




2006年06月05日 草薙静流





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