リアル妹がいる大泉くんの
ばあい
メーカー 原画 シナリオ
ALcotハニカム 風見春樹 / タコ焼き おるごぅる




総合点数 オススメ シナリオ CG BGM システム
165 90 25 20 15 15






無償の愛情こそ兄妹の絆

 青葉と〜
青葉

茉理
 末莉の〜

茉理
  イケてない
 エロゲーレビュー〜♪

青葉
5月は随分面白そうな作品が多かったけど中でも注目していた「リアル妹がいる大泉くんのばあい」を今回レビューするわよ。
青葉

茉理
正式に引退を発表したライターのおるごぅるさんが手掛けていますからどんな評価になるか気になってはいましたが青葉おねーさんは面白かったんですか?
面白かったわね、これは間違いなく良作の部類に入る作品よ。
青葉

茉理
わっ、こんなにベタ褒めというのも珍しいですね(^^
少しばかり予想していた内容と異なっていたから拍子抜けした部分はあったけど、ライターの『個性』というものがしっかりと効いていてそれが面白ければ文句のつけようもないわ(−− ゲームは楽しめれば勝ちなのよ、楽しめない作品に一銭の価値もないわ。
青葉

茉理
せっかくベタ褒めのシナリオなのですから具体的に良かったところをお聞きしたいのですが。
まずはテーマとして『兄妹間の愛情』がしっかりと描かれていた点でしょうね。特に予想外だったのがメインの大泉兄妹も良かったんだけど、サブキャラに近かった妹尾兄妹がかなり素晴らしかったのよねぇ。
青葉

茉理
ああ確かに美紀さんのシナリオでのさんは格好良かったですよねー。あの最後の主人公のさんとの決闘シーンは感動しました…(´д⊂
「妹のことをよろしく頼む」

すっごいシンプルだけどこれ程気持ちのこもった台詞はなかったわ。その前までの妹尾兄妹が一緒に育んできた絆の強さというものがしっかりと伝わってきたわね。

青葉

茉理
どんなに嫌われても暴力を振るわれたりウザがられても美紀さんのことを常に想っているのはさんの愛情が如何に深いか分かりますね。逆にさんの愛情が重すぎて美紀さんに疎まれてしまっているというのも本当の兄妹ではありがちなことではないでしょうか。
美紀シナリオで本当に感心したのがこれなのよね。どんなに嫌われたり恨まれても妹の為に無償の愛を注ぐ兄と、それを疎ましく思っていてもその気持ちをしっかりと理解していて感謝の気持ちを持っている妹の内心描写をしっかりと描いているシナリオは本当に感動するわ(−−
青葉

茉理
普段の言動がぶっきらぼうな兄妹ですからあのラストは本当に感動しましたね。大泉兄妹さん達と比べるとプラトニックな愛情を描いている点が違いますけどおるごぅるさんが描きたかった姉弟間の愛情なのかも知れませんね。
本来のおるごぅる作品が大泉兄妹と言えるからかなり新鮮な印象があったわね>妹尾兄妹

こういう兄妹像も描けるおるごぅるというライターの幅の広さ、引き出しの多さには感心するわね(−−

青葉

茉理
折角なのでさんと麻衣さんのシナリオについてもお聞きしたいんですが?
栞シナリオは基本的に美紀シナリオと大差ないけど決定的に違うのはやっぱり兄妹で肉体関係を持ってしまった事よねぇ。というよりも幼少時から恋愛感情を互いに持っていた事じゃない?(−−
青葉

茉理
さんのシナリオの面白いところは親子の絆よりも兄妹の絆の方が強いことが分かるところですね(^^;;
あれだけ家族が崩壊していれば当然とは思うけどね(−− むしろ此処でも妹尾兄妹の良い部分が見えたわね。しっかりと大泉兄妹を友達としてフォローしているのは本当に良かったと思うわ。
青葉

茉理
結局最後には別々になってしまいましたが、一緒に暮らしている時よりも絆を強く感じられていたのも良かったと私は感じました。
まさか父親がエロゲユーザーになるとは夢にも思わなかったけどね・・・・・・(−−

さて、私が勿体ないと感じたのが麻衣シナリオね…設定上、割と重要な位置にいるのに影が薄かったわね。特に栞シナリオでは冒頭からネタバレ展開していたのに途中から殆ど出番がなくなってしまったのは残念よね…オマケに麻衣シナリオ自体も最後を考えるとねぇ(−−

青葉

茉理
印象としては個別シナリオのあるサブキャラという感じでしたね(^^;; とはいえさんとさんを結びつけるという意味では重要なキャラでしたからもっと出番は欲しかったなとは思いました。でもさんのシナリオの最後はすっごく上手いと思いましたね。でもやっぱり出番があっても良かったと思っちゃいますがw
やっぱり麻衣の存在意義の薄さは如何ともし難かったわね。それでもリアル妹が〜が楽しかったことには変わらないわ。ここ最近で純粋にシナリオが楽しめたのはこれくらいよ(−− 本当に希有なライターだっただけに惜しい人を業界は失ったわね…。
青葉

茉理
・・・・・・本当に勿体ないですよね…。






シナリオ

 流石はおるごぅるさんだと納得させるテキストの面白さは健在。特にエロゲに対する皮肉とも取れる数々ののやり取りには腹を抱えて笑わせていただきましたw

「家庭用に移植されるエロゲが『売れる作品』なんじゃねえの?」

「ガチでホモなのはゲームとして楽しめないわ」
「今はBL要素を入れて女性層を取り込もうとしているんじゃないかな」
「だったら最初からそういうゲームを作ればいいんだよ」


 なんというか私にはおるごぅるさんの怒りのようなものすら感じる皮肉の数々。とにかくこの2人のやり取りは絶妙でしたね。

 それでいて2人に共通しているのが『兄』としての格好良さ。リアル妹が〜をプレイして再認識したのがおるごぅるさんは兄を描くのが非常に上手いという事。印象として妹ゲーを書かせたら右に出る人は居ないというイメージでしたけど、よくよく考えると妹を描く為には兄の存在が不可欠。どちらかが良くてもバランスが崩れて偏ってしまう。でもリアル妹が〜では兄も妹もこんなに良かったというのはその辺りが絶妙だったという証左でしょう。そう考えると兄というものを書かせたら本当に敵のいないライターだと思いましたね。

 しかし大泉 涼の性格には笑ってしまいましたね。普段はクールで優等生なのに、プライベートになると途端にバカキャラになって親近感が湧きましたよw 風呂場で麻衣にゾウさんを嬉々として見せつけたり、にセクハラなお願いをして蔑まれたりとキャラのイメージとのギャップが凄かったです。でも、いざという時には決めてくれる格好良さも併せ持つ理想的な兄貴と言えるでしょう。


原画・CG

 こちらもうち妹からおるごぅるさんとコンビを組んでいた風見春樹さんでしたが今回も良い仕事をしていましたね。決してHシーンは多くありませんでしたが1つ1つの質は非常に高かったです。中でも印象に残っているのは美紀との初Hシーン。油断していてアッサリと拘束された状態で一方的にやられてしまうのは酷すぎでしたね(褒めてます)。他の2人のHシーンも似た感じでしたがどちらかというと初々しさや興味本位のプレイが多くて個人的には楽しめました。

 それ以外のCGもかなり多くミドルプライスとはいえ手を抜いていないのも良かったですね。


音楽・BGM

 こちらも質的には十分満足できるものが多かったです。中でもED曲の片霧烈火さんが歌う「Dear My Precious」は最後までプレイしていたら泣けてしまいますね。あの曲に込められている感謝の心がしっかりと伝わってくるところが良かったです。あれは兄が妹に送る名曲ですよ。


オススメ度

 文句なく私が自信を持ってお薦めできる作品です。なんだか世間ではボリュームの少なさを指摘されているようですけどミドルプライス作品なのに多くを望みすぎです。何より私個人は大した出来でないシナリオを延々とプレイさせられるよりもキッチリと書きたかったものを書ききった短編の方が何十倍も優れていると思っています。決められた範囲内でしっかりと書いた短編は才能がないと無理。ダラダラ書いているだけならだけでも出来ますからね。

 その上で兄と妹という身近なテーマで面白いというのもこれ以外には見当たらないというのもおるごぅるという人の偉大さと才能を感じ取れる作品と言えるでしょう。私としては是非とも兄妹が居る人がプレイしての感想を聞いてみたいものですw


My Favorite's

 優劣をつけにくいのですが、やっぱり妹尾兄妹の良さはリアル妹が〜における最大の収穫ですね。

 普段は兄を邪険にしつつも感謝を決して忘れていない美紀、そして現実の妹に絶望してエロゲに走っていても実際には誰よりも妹の為に体を張れる彰。この2人の間には他人が入り込めない絆というものが実際にありましたし、それを感じ取れるシナリオにも感激しました。私も妹が居るのならこんな関係になってみたいと本気で思えるくらいの理想型ではないでしょうか。


備考

 これにておるごぅるさんが書かれる妹ゲーは本当に終了。まだ担当している作品はありますが純粋に妹をテーマにした作品はこれだけなのでもう見られないんですね…(´д⊂

 しかし本当に惜しい人材がエロゲ業界を去ってしまうのかと思うと今後の業界の先行きが不安になってしまうよ…このところ業界の話題で価格やコストがどうとか、規制問題ばかり取り上げているけど私が一番問題に感じるのは有能な人達がエロゲ業界を見限って去っていくことなんじゃないかと思うんですが。

 3年前の瀬戸口廉也さんが引退した時も感じましたが個性的な物書きさんが業界を去っていく現状こそが一番問題視しないといけないと思うんだが? それってつまり欲しいと思える作品が減っていくことなんだから。去っていった後に残ったのは目糞鼻糞の作品ばかりで誰もほしがる作品が無くなりユーザーが減っていく…おそらく今のエロゲ業界が衰退している根本にあるのは有能な人材の流出ではないかと思えるくらいに私にとっておるごぅるさんの引退はショックなことなんです…。

 改めておるごぅるさん今までありがとうございました!




2010年06月04日 草薙静流




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